病気・ケガ

【狂犬病】犬や人への影響と原因や症状、予防について

ワクチンで予防できる病気の中でも、狂犬病は法律でワクチン接種が義務付けられている病気であり、一度発症してしまいますと、回復することはなく、ほぼ100%の確率でワンちゃんの命をうばってしまいます。

また、狂犬病は人間にも感染することがあり、発症した際にはその致死率は100%近いと言われています。

そこで、今回はワンちゃんの狂犬病について、どのようなことが原因になり発症するのか、症状や治療法、狂犬病の歴史や、狂犬病のワクチンがどのようなものなのか、ワクチンの副作用や、接種する際に気をつけていただきたいこと、そして人間に感染してしまった際にはどのようなことになるのかということについてお伝えさせていただきます。

犬の狂犬病はどのようなことが原因になり発症するのかを教えて!

数多くあるワンちゃんの病気の中でもワクチンを接種することが義務付けられている病気が狂犬病です。この病気の致死率はほぼ100%と言われており、発症してしまいますと苦しみながら命を落としてしまうことになるので、必ずワクチン接種などを行い、狂犬病を予防するようにしましょう。

狂犬病は、ワンちゃんが狂犬病ウイルスに感染してしまうことで発症する病気です。この狂犬病ウイルスは人間を含めた全ての哺乳類に感染する人獣共通感染症になっていますので、より一層の注意が必要になります。

ワンちゃんの狂犬病が恐ろしい物であるという認識をもっていらっしゃる飼い主さんでも、どのようなメカニズムで病気を発症するのか、どのような原因で狂犬病が引き起こされるのかということについて、疑問をお持ちになられていることではないでしょうか?

そこで、ここではワンちゃんの狂犬病の原因にはどのようなものがあるのかということについて、お伝えさせていただきます。

ワンちゃんの狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染してしまうことで発症する病気です。狂犬病ウイルスに感染するルートとしては、狂犬病ウイルスに感染した動物に噛まれるなどの直接的な接触がほとんどになっています。狂犬病のウイルスは感染した動物の唾液の中に多く存在していると言われており、噛み傷から容易にウイルスに感染してしまうのです。ワンちゃん以外にもハムスターやネコちゃんにも狂犬病のウイルスは感染することもあり、注意が必要になります。

この病気は人間にも感染することがある病気であり、ウイルスに感染したワンちゃんへの接触はもちろん、ウイルスを保有している可能性がある哺乳類に噛みつかれたり、唾液に触れてしまった際にも人間に感染する可能性がある恐ろしい病気になっています。

狂犬病ウイルスは、侵入箇所から末梢神経や、中枢神経、脳や脊髄に広がり、脳炎や脊髄炎、末梢神経障害などの様々な症状を引き起こしてしまいますので、必ずワクチンを接種し、病気を予防するようにすると共に、野犬などのワクチンを接種しているのか明らかではないワンちゃんには不用意に接触しないようにしてくださいね。

犬が狂犬病を発症した際にはどのような症状があらわれるようになるのかについて教えて!

ワンちゃんの狂犬病は現在日本では国内から駆逐されており、狂犬病を発症するワンちゃんは0と言えます。そのため、「ワンちゃんが狂犬病を発症した際にどのような症状があらわれるのかについて知りたい!」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?

狂犬病は、日本では発症することがない病気ですが、海外では狂犬病ウイルスを完全に駆逐していない国もあり、狂犬病を発症しているワンちゃんが絶対にいないとは限りません。飼い主さんの身の安全を守るために、そして海外旅行や移住の際にワンちゃんの安全を守るためにも、狂犬病を発症した際に現れる症状などについての知識を持っておくようにするとよいかもしれませんよ。

そこで、ここではワンちゃんが狂犬病を発症した際にあらわれる症状などについてお伝えさせていただきます。

ワンちゃんが狂犬病を発症した際には、前駆期、狂躁期、麻痺期の3つに症状が大きくわけられ、それぞれ異なる症状があらわれるようになるのです。狂犬病の症状は前駆期から始まり、その後、狂躁期か麻痺期に移行します。

前駆期では、発熱や食欲不振、暗い場所を好む、人間を避けるようになる、普段とは違うこと有働を見せるようになるという症状があらわれるようになり、その後、狂躁期や麻痺期の症状があらわれるようになるのです。

狂躁期に現れる症状としては、過剰に興奮する素振りを見せるようになり、攻撃性なども増加します。糞や、小枝、石などのエサではないものを食べるようになる、むやみに歩きまわる、地面を無意味に掘る、狼のような遠吠えをするようになる、顔つきや表情が凶暴になり、キツネのようになる、目の前のものに噛みつくようになるなどの症状があらわれるようになるのです。

この狂躁期には、狂犬病の代表的な症状の1つである水を極端に恐れるようになるという症状もあらわれます。

なぜ、水を怖がるようになるのかというと、狂犬病を発症した際には様々な神経に障害が生じてしまうのですが、視神経にも影響があらわれます。水が反射する光に反応し痙攣を起こしてしまうことや、水を飲んだ際に強い痛みなどをが生じてしまうためだと考えられているようです。

同じように、風が皮膚に触れた時にも強い痛みが生じますので、風も嫌がるようになります。

狂躁期の症状は2日から4日ほど続き、最終的には、運動失調や痙攣、嚥下困難、昏睡などの症状があらわれ1日から2日で命を落としてしまうのです。狂犬病は治療することができない病気ですので、ワクチン接種をしっかりとさせるようにしてあげましょう。

麻痺期には急速に大量のよだれを垂らすようになる、足腰が立たなくなるなどの急速な麻痺症状があらわれるようになり、最終的には命を落としてしまうのです。

狂犬病は、ほとんどの場合で狂躁型の症状があらわれるようになり、その確率は80%から85%と言われています。日本では駆逐されている狂犬病ですが、海外ではそうではない国も多くなっていますので、ワンちゃんをつれた海外旅行や移住の際にはワクチン接種などをし、狂犬病のような症状があらわれている野良犬などには近づかないようにしてくださいね。

犬の狂犬病はどのように治療や予防を行う?有効な治療法は存在しない?

ワンちゃんが狂犬病を発症してしまった際には、有効な治療法が存在しないため、ワンちゃんはほぼ100%の確率で命を落としてしまうことになるのです。また、狂犬病を発症したワンちゃんは凶暴性が増してしまうことがほとんどになり、噛みつかれた際に傷などに付着した唾液からも狂犬病のウイルスは人間やワンちゃん、ネコちゃんの体内に侵入してしまいますので、それを防ぐとともに、ワンちゃんが苦しみながら命をとしてしまうことを防ぐというためにも狂犬病を発症した際には、安楽死を選択することになります。

ワクチンを接種することは飼い主さんにとって義務とも言えるものであり、1年に1度のワクチン接種は必須になります。万が一、狂犬病の疑いのある動物との接触があり、ワンちゃんが狂犬病を発症してしまう可能性がある場合には、再度ワクチン接種をさせることで狂犬病の発症を防ぐことができるのです。

このようにワンちゃんの狂犬病は治療をすることができない病気ですので、必ずワクチンを接種させるようにし、狂犬病の恐れがある動物などには近づけさせないようにするなどの感染を未然に防ぐ努力を飼い主さんが心がけるようにすることも重要になりますので、注意してあげてくださいね。

狂犬病は日本ではもう感染のリスクはない?狂犬病の歴史について知りたい!

狂犬病は日本では駆逐されており、ワンちゃんが発症することはありません。しかし、狂犬病は日本以外の中国や東南アジアなどの国では依然猛威をふるっている病気なのです。そこで、飼い主さんが気になることといえば、日本で狂犬病が最後にみられた年代や日本での狂犬病の歴史、現在でも狂犬病が蔓延している国などの情報ではないかと思います。

そこで、ここではワンちゃんの狂犬病の歴史や現在の狂犬病の情報などについてお伝えさせていただきます。

現在の日本では、狂犬病のワクチン接種が義務化されているため、狂犬病を発症するワンちゃんはほぼいないと言えます。かつての江戸では、生類憐れみの令などでワンちゃんは丁重な扱いを受けていました。現在の日本とは違い、ワンちゃんのことをペットのように扱う風潮などはなく、ワンちゃんの扱いなどに様々な制限を受けることになるため、むしろ庶民はワンちゃんと関わるのを避けるようにしていたのです。生類憐れみの令は1709年に廃止され、その後の18世紀以降に日本での狂犬病の流行が始まります。

明治時代の初期から中期にかけては、狂犬病が地域的に流行するようになり、広範囲に感染を手を広げるようにもなったようです。特に人口も多く、ワンちゃんの数も多かった東京では狂犬病は猛威をふるいましたが、ワンちゃんの管理体制や狂犬病の発生件数などを記録する体制などが整ってはいなかったため、対策することも難しくなっていたのです。

東京では、1870年代に狂犬病の発生が相次いだため、1876年に、ついに畜犬規則が定められました。しかしその後も狂犬病の発生がおさまることはなく、1881年には畜犬取締規則が制定されるのですが、それでも狂犬病の発生は続き、1886年には東京府下で7人の狂犬病の死者が出てしまいます。

その後も日本全土で狂犬病は猛威をふるい、1893年3月には長崎市で外国人が持ち込んだ犬から狂犬病が流行するようになり、同年5月までの間に、犬に噛まれた被害者は76名、狂犬病による死者は10名を超え、市民に殺された犬の数は735頭を超えるまでになってしまうのです。

1894年から1895年には長崎県全域に狂犬病の流行が広がるようになり、狂犬病による死者は21名にも登るようになってしまいます。その後、狂犬病は九州全土に広がり、1902年まで流行が続くのです。1895年には、九州で狂犬病に感染した人間に対して、初めてパスツール法を用いたワクチン接種が行われます。

このワクチン接種を行った人間は15ヶ月間で62名に達しましたが、その中でも免疫療法中に2人が命を落としてしまいました。翌年の1896年には狂犬病の蔓延を重く見た政府により、獣疫予防法が制定され、狂犬病を発症した犬の殺処分を定めるようになり、1897年にようやく狂犬病の発症件数が公式に記録されるようになったのです。また、この年には、狂犬病に感染した人間に対してのパスツール法による免疫治療は日本全土に広がるようになります。

しかし、狂犬病はその後もおさまることはなく、1905年に11月には兵庫県神戸市で狂犬病が流行し、4000人にも及ぶ人が狂犬病を発症した犬に噛まれ、45人の命が奪われました。1906年には青森県で狂犬病が流行し、犬は157頭、馬は6頭、狂犬病に感染し、命を落とした人は11人にも及び、その後、1907年には狂犬病が青森から北海道に感染領域を広げます。4ヶ月足らずの間に、狂犬病に感染した犬は252頭、命を落とした人は21名にもなったと言われています。同年、静岡県でも狂犬病が流行し、1908年、静岡県から狂犬病は神奈川県にまで感染領域を広げました。

1910年には宮城県と感染領域を広げていき、1911年に東京で狂犬病が大流行し、狂犬病の発症件数は明治時代末期から大正時代にかけて爆発的に増加するのです。

1918年には神奈川県で、犬に対するワクチン接種が行われるようになり、1919年には東京でもワクチン接種が行われ、他県では狂犬病の発症件数が増加している中、狂犬病の発症件数は減少していくようになります。しかし、1923年の関東大震災の混乱による影響により、126件まで減少した発症件数は726件まで増加してしまうことになります。

同年、狂犬病の流行の中心は大阪に移り、狂犬病を発症した犬の数は1338頭まで達し、当時の日本の狂犬病発生件数の約半数は大阪であったと言われています。その後、大阪で増加した狂犬病は、今までに狂犬病の発症が確認されなかった北陸地方や、四国地方へも感染の手を強め、全国規模で狂犬病が流行することとなったのです。

1925年からは飼い犬に対しての予防接種と野良犬の取締が急速に進み、1926年以降の狂犬病の発症件数は減少し始め、1930年には狂犬病の発症件数は2桁まで減少することになります。

1950年には、狂犬病予防法が制定され、飼い犬の登録やワクチン接種の義務化が行われるようになり、それに加えて野良犬の処分などを経て、1956年を最後に日本ではワンちゃんの狂犬病の感染は確認されていません。

狂犬病は古くから発生は確認されていましたが、現代の日本のような厳格な対策はとられておらず、多くの狂犬病に感染したワンちゃんの命を奪うだけではなく、人間の命までもを奪ってきました。このように、恐ろしい病気である狂犬病は治療することも難しい病気ですので、二度と日本で流行しないように飼い主さんがご自身のワンちゃんに必ずワクチン接種をさせるようにし、これからも続いていく人間とワンちゃんの関係を守ってあげるようにしてくださいね。

日本では完全に駆逐された狂犬病ですが、日本以外の国では現在も狂犬病は発生しており、海外旅行や輸入動物から狂犬病ウイルスが国内に持ち込まれる危険性がないとは言えません。狂犬病の発生が確認されていない国は、日本、アイスランド、アイルランド、オーストラリア、スウェーデン、英国、ノルウェー、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ諸島、グアムの11の国と地域のみなっており、それ以外の国では未だに狂犬病は猛威をふるっており、人間への感染も報告され、命を落としてしまうこともありますので注意が必要になります。

このように狂犬病はいつ日本に再流行してもおかしくないような状態が続いているため、飼い主さんがワンちゃんを狂犬病から守ってあげるための対策が必要になりますので、ワクチン接種は怠らないようにし、しっかりとワンちゃんを守ってあげてくださいね。

狂犬病を予防するためにはワクチン接種が必須!しかし、狂犬病のワクチンってどのようなもの?

ワンちゃんが狂犬病を発症してしまいますと治療することはほぼ不可能になっており、100%に近い確率で命を落としてしまいます。大切なワンちゃんとの生活を守るためにも、狂犬病の予防は必須であり、特にワクチン接種は飼い主さんの義務になっていますので、絶対に忘れないようにしましょう。

しかし、狂犬病のワクチン接種について、「狂犬病のワクチンはどのようなものなの?副作用は?」というように様々な疑問をお持ちになられている飼い主さんもいらっしゃることだと思います。

そこで、ここではワンちゃんの狂犬病のワクチンがどのようなものなのかということについてやワクチンを接種した際にあらわれる恐れがある副作用にお伝えさせていただきます。

ワンちゃんのワクチンには、化学処理などで死んだウイルスや細菌、リケッチアを用いた不活性化ワクチンと毒性を弱めた微生物やウイルスを使用した生ワクチンが存在します。それぞれメリットとデメリットがあり、病気の性質などによって使い分けられています。

不活化ワクチンには、副作用等が出にくく、ワクチンが有毒かしないというメリットが存在します。しかし、免疫の持続期間が短く、1年程度しか免疫が持続しませんので定期的なワクチン接種が必要になるというデメリットがあります。

生ワクチンは獲得できる免疫力が強く、効果が3年から一生涯にわたって持続するというメリットがありますが、有毒化することもあり、副作用等が出ることもあるというデメリットがありますので、どちらのワクチンも飼い主さんがしっかりとリスクについて理解しておくようにした方が良いでしょう。

狂犬病のワクチンのワクチンは有毒化することのない不活化ワクチンを投与されますが、副作用が出にくいといっても確率は0ではなく、副作用が出ることもありますので、それらについてもしっかりと知識を持っておくようにしてくださいね。

ワンちゃんが狂犬病のワクチンを接種した際に起こる可能性がある副作用としては、ワクチン注射をした箇所に腫れが生じる、肉芽種の発生、悪性腫瘍への変化、痛みや脱毛、虚血性病変などといった副作用の他に、食欲不振や微熱、リンパ節の腫れ、脳炎、多発性神経炎、発作や異常行動、脱毛、呼吸の変化などの全体的な副作用も出ることがあります。

ワクチン接種をした際に最も注意しなければいけない副作用がアレルギー反応です。血小板の減少や、貧血、皮膚虚血性脈管障害などの症状と併せて、アナフィラキシーショックなどの症状があらわれることもあります。

このアナフィラキシーショックは、体内に侵入してきた異物に対して免疫機能が過剰に反応してしまうことにより、ワンちゃんの身体に異変を生じさせ、最悪の場合には命を落としてしまうこともある恐ろしい副作用になっています。

早い場合ですと、ワクチン接種後10分から15分程度で、呼吸困難や嘔吐、痙攣、血圧低下などの症状がみられるようになりますので、ワンちゃんの様子には注意をはらうようにしてあげてくださいね。また、一度アナフィラキシーショックを引き起こしたワクチンは次回からワンちゃんに接種することができませんので、飼い主さんがしっかりとアナフィラキシーショックを引き起こしたワクチンの名前を覚えておくようにしましょう。

狂犬病のワクチンを接種することは義務であり、さけられないものです。しかし、副作用などがでることもないとは言い切れません。そのため、万が一の際に備えて飼い主さんがワクチンを接種する際に存在するリスクなどについてしっかりと理解したうえで、信頼できる獣医さんのもとで狂犬病ワクチン接種を行なうようにしてくださいね。

犬に狂犬病ワクチンを接種させる際にはどのようなことに気をつければ良い?ワクチン接種の注意点は?

狂犬病のワクチンをワンちゃんに接種させることは法律でさせることが定められており、飼い主さんの義務になっていますので、1年に一度必ずワクチンの接種が必要になります。しかし、病院やワクチン接種が苦手なワンちゃんもいますし、ワクチンなどには副作用の心配もあり、安全性は100%とは言えません。日によってワンちゃんの体調も異なりますし、毎年必ず同じような健康状態であるということはありえませんので、ワンちゃんが安全にワクチンを接種するためにも、飼い主さんがワクチン接種時に必要になる注意点や、ワクチン接種前、接種後にどのようなことに気をつければ良いのかということについて理解しておくようにするのが良いでしょう。

ここでは、「ワクチン接種に際してどのようなことに気をつければ良いの?」というような疑問をお持ちになられている飼い主さんに向けて、ワクチン接種時に気をつけなければいけないことなどについてお伝えさせていただきます。

ワンちゃんの狂犬病ワクチン接種は、飼い主さんの義務であり、1年に一度の接種を行わないと法律等で罰せられることもあります。狂犬病のワクチン接種は毎年、4月から6月に摂取すると法律で定められており、一生涯にわたってワクチン接種が義務付けられていますので、忘れないように気をつけてください。狂犬病のワクチン接種には、市町村の狂犬病の集団ワクチン接種や動物病院でワクチン接種を受けさせるという2通りの方法があります。金銭的、時間的な余裕がある場合には、細やかなケアが受けられる動物病院でのワクチン接種のほうが安心でしょう。

新しくワンちゃんを家族に迎える際には、飼い犬登録を行う必要があります。飼い主登録は、生後91日以上のワンちゃんの飼い主さんに義務付けられており、生後91日を過ぎた後に狂犬病ワクチンを接種させ、ワクチン接種の証明書を持って30日以内に役所か保健所に行かなければなりません。飼い主登録にかかる費用を払い、証明書を提出すると、狂犬病ワクチンを接種したという証明である観察と注射済み票や玄関に貼る標識などが渡されることになります。

飼い主登録を済ませた後には、年に一度、ワクチンの接種時期を知らせる葉書や手紙などで連絡が来ますので、ワンちゃんの体調などがワクチン接種に適しているかを確認した上でなるべく早めに動物病院に連れて行くようにしてくださいね。また、飼い主さんが引っ越しなどをした際にも、役所等に届け出をしなければいけないと法律で定められていますので、しっかりと届け出を行うようにしましょう。

狂犬病のワクチンを接種させる際には、獣医さんとよく相談し、ワンちゃんに合っている副作用の少ないワクチンを選択するようにしてください。同じ狂犬病のワクチンでも、製薬会社によっては副作用の危険性なども異なりますので、信頼できるかかりつけの獣医さんのもとでワクチンを接種させるようにすると安心でしょう。特に小型犬の場合は、他のワンちゃんと比較した際に副作用がでる可能性が高くなっているということもありますので、言葉が話せないワンちゃんの代わりに飼い主さんがしっかりと獣医さんに確認してあげるようにしてくださいね。

ワクチンを接種する日のワンちゃんの様子や体調にも飼い主さんが注意を払ってあげるようにすると良いでしょう。ワクチンの副作用などはワンちゃんの体調が良くないときなどには出やすくなっています。元々、ワクチンはワンちゃんの体内から見ると異物になりますので、ワンちゃんの体調が悪かったり、疲れが溜まっている、ストレスが溜まっているという場合には、ワクチンを接種する日にちを変更するなどの対策をするようにしましょう。

また、老犬や妊娠中のワンちゃんの場合には思いもよらない症状などがあらわれることなどもありますので、獣医さんにしっかりと相談し、ワクチン接種の際に掛かる負担や危険性などを最小限に抑えるようにしてくださいね。

狂犬病のワクチンは、その他のワクチンと同時に接種することは避けるようにしましょう。複数のワクチンを一度に接種してしまいますと思いもよらない副作用等があらわれることもあり、度のワクチンが原因なのかを判断することが非常に難しくなってしまいます。そのような危険性からワンちゃんを守るためにも狂犬病のワクチンや、その他のワクチンは1つ1つ接種させるようにしてくださいね。狂犬病のワクチンは接種から1週間後、混合ワクチンなどのその他の病気についてのワクチンは接種から1ヶ月後に他のワクチンを接種できるようになりますので、計画的にワクチンを接種させるようにしましょう。

ワンちゃんに狂犬病のワクチンを接種させた後には、アレルギー反応や副作用などがあらわれることもありますので、ワンちゃんの様子には注意してあげるようにしてください。狂犬病ワクチン接種後10分から20分の間で急速に副作用の症状があらわれることもあり、その際には早急な対応が必要になりますので、ワクチンを接種後、30分程度は動物病院の待合室でワンちゃんの様子に変化がないかどうかを確認し、心配が無いことを確認してから帰宅するようにしましょう。万が一、何かおかしな様子がありましたら、すぐに獣医さんに伝えるようにして、アレルギー反応や副作用などを和らげる治療を行ってもらうようにしてくださいね。

ご自宅に帰られた後も24時間の間はワンちゃんの様子に注意しておき、何かいつもと様子が違う、副作用のような症状がみられるという場合には動物病院に連れて行くと安心かもしれません。ワクチンの接種後には、元気がなくなったりすることもありますが、普段と変わらない様子を見せるワンちゃんでも安静にさせるようにし、24時間の間は散歩や運動、入浴などワンちゃんの身体に負担をかけることは避けるようにしてください。散歩や運動などを行なう際は、ワンちゃんの体調が万全なものに戻るまでは避けるようにし、普段と変わらないくらいまで回復してから再開させるようにすると良いでしょう。

狂犬病ワクチン接種は、ある日突然思い立って動物病院に連れて行けば受けられるというものではなく、前もって獣医さんと相談し、ワンちゃんの体調などを整えた上で行なうべきです。そのため、しっかりと日にちを決めた後に、ワクチン接種に向けてワンちゃんの体調を整えた上で狂犬病ワクチンを接種させるようにしてくださいね。

狂犬病は人間にも感染する?感染ルートや感染した際に現れる症状は?

狂犬病はワンちゃんにだけ発症する病気ではなく、イヌ科を含む全ての哺乳類に感染、発症する恐れがある危険性がある病気です。発症してしまいますと、致死率がほぼ100%になっているため、日本ではワンちゃんに狂犬病ワクチンを接種することが義務付けられいるのですが、日本以外の国では、未だに狂犬病が存在しており、ワンちゃんだけではなく、人間での感染者も出ているのです。

日本は島国であるため、海外から狂犬病が侵入してこないかぎり蔓延する可能性は限りなく低くなっていますが、外国からの輸入動物が狂犬病ウイルスを保菌している可能性も考えられますし、海外へ旅行に向かった際に人間が感染してしまうこともあるかもしれませんよね。

日本を狂犬病が存在しない国であり続けるためには、他国から狂犬病ウイルスを持ち帰らないような対策も必要になります。

日本ではワンちゃんの狂犬病の発症は現在確認されていませんが、2006年にフィリピンで犬に噛まれた男性が帰国後に狂犬病を発症し、命を落としていますので、決して狂犬病は遠い病気では無いのです。

人間が狂犬病に感染してしまった際には、噛まれた部位によって潜伏期間は異なりますが、症状があらわれるまで1ヶ月から2ヶ月の期間だと言われています。症状は様々で発熱、頭痛、筋痛、咽頭痛、倦怠感や疲労感、食欲不振、嘔吐、空咳などの症状から始まり、噛まれた部分がうずくように痛む、噛まれた周辺の知覚異常や筋肉の攣縮の症状を経て、運動過多、興奮、不安狂躁、錯乱、厳格、恐水発作などの症状を引き起こし、昏睡状態から呼吸停止に至り命を落とすことになります。

感染初期には、様々な病気に似た症状があらわれますので、狂犬病であるということが判明するのに時間がかかることもありますし、発症してしまいますと効果的な治療法が存在しないため、海外旅行などに行く際には、飼い主さんやワンちゃん、日本を狂犬病の危険性から守るためにも、野生動物などを避けるようにするなどの対策が必要です。

また、狂犬病の疑いがある犬や猫などの野生動物に噛まれたり、引っ掻かれたりした際には傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診するようにしてください。狂犬病を発症する前に狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与することで発症を防ぐことができるかもしれませんので、感染の恐れがある場合には早急な対応を心がけるようにしましょう。

また、輸入動物などが狂犬病ウイルスを保有している場合もありますので、狂犬病の恐れがある国から輸入した動物には不用意に触れるようにせずに人間やペットとは接触させるようにせず、十分に検疫期間をとってから接触するようにし、動物の攻撃的な態度を引き起こさないように細心の注意を払うようにしてくださいね。

狂犬病は哺乳類ならどの動物でも感染する恐ろしい病!命を守るためにもワクチン接種は絶対に忘れないようにしましょう!

ワンちゃんの狂犬病は一度発症してしまいますと、治療することが難しいだけではなく、100%の確率で命を落としてしまうという恐ろしい病気になっています。また、ワンちゃんにだけではなく、猫やハムスター、キツネ、アライグマなどの哺乳類全般に感染することもあり、人間も例外ではありませんので、ワンちゃんの狂犬病を予防するために対策を講じるとともに、飼い主さんも海外などで狂犬病ウイルスに感染しないように気をつけたほうが良いでしょう。

現在の日本では、狂犬病を発症したワンちゃんはいませんが、日本以外の国では今でも狂犬病は存在する病気です。フィリピンで狂犬病ウイルスに感染し命を落としてしまった人などもいますので、そのような自体を避けるためにも、海外旅行などに行く際には特に注意が必要になりますし、もしかしたら狂犬病が日本で再流行してしまうということがあるかもしれません。そのような時に、ワンちゃんを狂犬病の脅威から守るためにも狂犬病のワクチンはしっかりと接種させるようにするようにしましょう。

今回、お伝えさせていただきました情報が飼い主さんとワンちゃんの生活をより良いものにするお手伝いになりますことを願っております。

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