飼育・育て方
爬虫類(カメ・イグアナ)の飼い方とペット保険について
独特な雰囲気や容姿に、男女問わず人気を集める爬虫類たち。
近年では爬虫類愛好家だけでなく、爬虫類のカフェなどで触れ合う機会も多くなりました。哺乳類にはない「かっこよさ」や「迫力」。その珍しい空間に親しみを覚え、ペットにすることを決める方も多いといわれています。
あまり爬虫類と触れ合う機会のない方からは「エサを食べるだけで、ペットにするには物足りないのでは?」といった声もありますが、実は爬虫類にも感情表現があり、種類によっては飼い主さんに慣れたり、飛び乗ってくることもあります。
「こんなにかわいいと思わなかった」「ちょっとした変化が楽しい」などと飼い始めてから爬虫類の魅力に気付くことも多いようですね。深い愛情が芽生え、日々癒されている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
こちらのページではイグアナとカメを中心に、種類や飼い方、病気、ペット保険の加入についてまとめてみました。ワンちゃんやネコちゃんと同じように、イグアナやカメも栄養の偏りや室温によって体調を崩す場合があります。逆に環境を整えることで、長生きすることも可能です。
イグアナやカメはある程度身体が大きくなりますので、成長することは飼い主さんにとって楽しみの1つになりえます。大切なペットと元気に楽しく暮らせるように、日々のチェックにお役立てくださいね。
イグアナの種類
様々な種類のイグアナがいますが、ペットショップなどで最も多く見かける種類は「グリーンイグアナ」といわれています。
子供のうちは10センチ前後の大きさで店頭に並んでいることもありますが、少しずつ成長し、時には2メートル近くの大きさになります。
寿命は15年前後ですが、20年以上生きることもあります。お値段は2,000円から10,000円前後とペットショップや個体差によって変わってくるようです。
イグアナの飼い方
人気のあるグリーンイグアナは南アメリカを故郷にもち、ある程度は飼い主さんに慣れること、トイレのしつけが可能なこと、基本的には穏やかな性格であることが人気の理由にあげられます。成長するにつれ身体が褐色し、背中にたてがみのようなクレストが生えるので、他の爬虫類にはない恐竜のような迫力が出てくることも楽しみのひとつです。
イグアナを飼う際は、飼い主さんに慣れてもらうためにも子供の頃から育てることをおすすめします。最初は警戒心から噛みつこうとするかもしれませんが、コミュニケーションを上手に重ねることで次第に飼い主さんを覚え、生活にも慣れてくるでしょう。
イグアナは賢く、飼い主さんの顔の識別もできるといわれています。また身に付けている洋服などに反応を示すこともあるようです。イグアナを抱える際は、上からではなく正面から手がイグアナの目に見える形でそっと抱えてあげると怖がらせずにすむといわれています。
穏やかな性格で、オスの発情期以外で攻撃性をみせることは、基本的にはありません。
放し飼いにした時に、自分に向かって這ってきたり背中に覆いかぶさってくる姿は嬉しいものです。慣れてきた際抱きかかえることもできますが、イグアナのするどい爪で飼い主さんが怪我をしないように気を付けましょう。また手でエサを与える際も、イグアナに指をかじられて骨折したり、神経が切れてしまうなどの事故になる可能性がありますので、念頭にいれておいてくださいね。
15年前後の長い時間を共にしますので、イグアナとそのような関係になりたい方は環境と合わせてコミュニケーション方法を学んでおくことをおすすめします。
イグアナの飼育に必要な道具は水槽、止まり木、水浴び用の容器、床材、保温用ヒーター、紫外線用のライトとバスキングライトです。みるみるうちに大きくなるので、水槽は1メートル以上のタイプを購入すると良いでしょう。プラスチックの衣装ケースなどでも代用はできますが、上から手を入れるとイグアナが怖がるといわれ、側面に扉がついたタイプがおすすめされています。
成長途中で水槽の買いなおしを検討することもありますが、ある程度の大きさになると水槽での飼育をやめ、ワンちゃん用のケージをつなげるなどご自身で作ったり、自宅の一室をイグアナ用に整えて放し飼いにする飼い主さんが多いといわれています。
イグアナを飼う際には温度計や湿度計で環境を把握し、温室調整をすることが必要となります。野生下では熱帯雨林の水辺付近で生活をしているので、水槽内の温度が低いと命にかかわります。
パネルヒーターやサーモスタット、水槽の上部に設置するヒーターなどを使用している飼い主さんも多くいらっしゃいますが、水槽の大きさにヒーターが合っていないと温まらない可能性があります。飼い始めや水槽を変えた際も気を付ける必要がありますね。季節によっては室内のエアコンの管理でも、十分快適に過ごせます。加湿にもチェックが必要です。
湿度は50から70%、室温は27度以上が適温といわれていますが、子供の頃であれば30度が理想です。
木の上にいる時間が長いので、パネルヒーターよりもスポットライト型のヒーターの方が適している場合もあります。また光は出さずに熱を発する「夜間用」のヒーターであれば、飼い主さんが夜寝る時も眩しくありません。同じ部屋で生活する際、必要であれば購入すると良いでしょう。現在はタイマーを取り付け、自動的に管理するものがおすすめされています。
紫外線ライトはイグアナの骨の成長を促すなど基本的に不可欠な飼育用品ですが、常に陽のあたる場所に水槽があり、日光浴が可能であればいらないという飼い主さんもいます。陽が当たってもガラスやケースを通すと紫外線が遮断されてしまうので、直接当たることが必要です。
そうでなければ紫外線ライトは1日12時間ほどあてないと、骨の代謝異常で病気を引き起こす可能性が出てきますので必ず設置してくださいね。
バスキングライトは、イグアナの体温を上げるために必要なライトです。水槽内を全体的に温めるものではなく、1か所だけに強力な熱を放射します。イグアナは体温が上昇しないと食べ物の消化がうまくできない習性をもっているので、飼育下ではこのライトを浴びて体温を上げています。体温が低い場合は動きが鈍いのですが、温まると活発に動き回ります。
このように人口的なライトを使用してお世話をしますが、日中飼い主さんが近くにいる際は日光浴を積極的に行うことをおすすめします。夏場は特に外へでてお散歩をする飼い主さんが多いようです。日光浴だけでなく運動不足も解消できます。その際はリードを使用し、脱走しないよう注意が必要です。
水槽の中に入れる床材は新聞紙やペットシーツなどを使用すると掃除が楽になりますが、飼い主さんの中にはできるだけ野生の生活環境に近づけるため、砂などを購入する方も多いようです。様子をみながら、いくつか試してみると使いやすいものが見つかるかもしれません。
イグアナはきれい好きで、1つの場所をトイレにするといわれています。放し飼いにした際は排泄のしぐさを見て、何度かトイレの場所に連れて行くと覚えることもあるようです。
水槽の中に設置する水入れは、子供の頃は身体全体が浸かれる大きさを入れておきます。飲むだけでなく、水遊びができるので乾燥を防ぐことにもつながります。
成体まで成長したら毎日霧吹きなどで身体を濡らしてください。またぬるめのお湯で温浴をすると喜ぶといわれています。脱皮した際に残った皮膚を流してあげることもおすすめです。
エサは緑黄色野菜を中心に小松菜などの葉物を与えます。植物ならなんでも口にしてしまいがちですが、ホウレンソウは腎臓に負担をかける可能性から与え過ぎに注意が必要です。バナナなども一本を丸ごと食べてしまいますが、「好むから」という理由ですとバランスを崩してしまします。95%は野菜を与え、果物は5%以下に抑えましょう。
エサは丸ごと飲み込んでしまいますので、喉を詰まらせないためにも小さく切って与えます。冷たい野菜は身体を冷やしてしまうことになりますので、常温をおすすめします。時にはイグアナ専用のフードなどを混ぜるとバランスが保つことに役立ちますね。
止まり木は脱皮をする際、身体をこするなどにも使用します。イグアナが登れるように、成長によって大きさを変える必要が出てくるでしょう。折れたり倒れたりしないように設置する必要があります。
以上のような環境でイグアナを迎えます。イグアナを育てる際はまず、大きくなることを考えなくてはなりません。
エサ代も成体になれば野菜2束分は毎日かかるといわれています。放し飼いにした際はエアコン代などの光熱費が高額になるでしょう。どのペットでもいえることですが、飼い主さんの生活スタイルを含めた計画的な飼育が必要となりますね。
カメの種類
カメは世界中の海や川、池、沼や陸地などに、それぞれ300種類が生息しているといわれています。一般的にペットとして飼われているカメも、水生・半水生のヌマガメ類と、陸生のリクガメに分けることができます。
ヌマガメ類の種類は、スッポン科やスッポンモドキ科、イシガメ科、ヌマガメ科、ドロヌマ科などを指します。
どの種類でもカメは寿命が長く30歳以上生きるといわれていますが、上手に育てると60歳以上になることもあります。丈夫で育てやすいことから、クラスで飼育している小学校もあります。
カメの飼い方(水生・半水生)
スッポン科やスッポンモドキ科などの種類は、魚類と同じように水の中で生活するためある程度深さのある大きな水槽が必要となります。個体の大きさや成長によって選ぶとよいでしょう。常に水中にいるため、陸地を作る必要はありません。
イシガメ科、ヌマガメ科、リクガメ科などは半水生の種類のため、水槽の中には水と陸地の両方作ります。ある程度泳げて、陸地でも休める広さが必要です。
水槽が用意できたら、カルキを抜くために1日おいた水道水を入れます。ろ過機を使用すると、きれいな水の維持に役立ち便利ですが、あくまで補足として使う程度にします。排泄物などの汚れは取りきれないため、水の入れ替えが大切です。少なくとも1週間に1度はきれいな水に交換しましょう。
水槽の下に敷く底砂は必ずしも必要なわけではありません。何か敷きたい場合は掃除がしやすいように流木や大きめの石を組むことをおすすめします。砂を敷く場合はカメが誤飲しないように、大きめの砂を選ぶことが大切です。
水槽の準備の次は、ライト、ヒーター、隠れ家などを設置していきます。爬虫類は日光浴が必要です。そのため、日差しが入らない場所に水槽を置く場合は紫外線ライトが必要となります。
また熱帯地域に生息するカメには水も高い温度が必要となります。水温を維持するために淡水魚用のヒーターの設置がおすすめですが、カメが火傷をしないように、ヒーターによってはカバーをつける必要があります。
隠れ家は必ず必要なものではありませんが、カメが落ち着けるように設置することをおすすめします。爬虫類用のシェルターなどが売られていますので、大きさなどから選ぶと良いでしょう。
野生の水生・半水生のカメは、小魚やザリガニ、昆虫、貝類、水草など、肉食性の強い雑食性です。エサが豊富のため、飼育もしやすいという飼い主さんも多いようですね。市販されているものでも十分ですが、時には乾燥イトミミズなどを与えると喜ぶでしょう。
水生・半水生のカメは水質の悪化を防ぐためにも、1度に食べきれる分量のエサを与えてくださいね。
カメの飼い方 (陸生)
リクガメを飼育する場合は、動き回れるようにできるだけ広い水槽を用意する必要があります。よじ登ることはほとんどないため、高さはあまり必要ありません。床の面積を重視して選ぶと良いでしょう。
その水槽の中に、床材、水入れ、隠れ家、ライト、ヒーターなどを設置していきます。
床材は爬虫類用の床材が売られていますが、種類や固体によって黒土、赤玉土でも飼育できます。水は飲むだけでなく全身が浸かることができるように、大きめのものを用意しましょう。カメがのっても引っくりかえらないように、ある程度重みのある容器がおすすめです。
隠れ家はカメが落ち着きやすくなるので、入れることをおすすめします。紫外線ライトは、1日数十分程度浴びさせることが必要です。
室温はカメの種類によっても異なり、中には健康維持のため30度前後の温度が必要な種類もいます。飼育容器の半分の面積を暖められる、パネルヒーターが便利です。低温やけどには十分注意しながら設置しましょう。
草食性のリクガメは小松菜やレタスなどを与えますが、好みもあります。いくつか種類を与え、好きなものを探してあげるとよいでしょう。タンポポや、クローバーなどの植物も食べますが、路上に生えているものは野良猫や犬の排泄物などで汚れている場合もあるので、注意が必要です。
バランスの取れたリクガメ用のエサが市販されていますので、飼いはじめはこのようなエサを水でふやかし、野菜と合わせて与えることをおすすめします。また、時にはカルシウム剤をかけてあげると健康維持に役立ちます。
カメは寒いと冬眠しますが、栄養不足などが原因で冬眠から起きずに亡くなってしまうこともあります。不安な方は無理に冬眠をさせず、温かな環境で育てることをおすすめします。
爬虫類のかかりやすい病気
・口内炎
ビタミンが足りないなどの栄養不良から、口の中に炎症が起きます。食欲が減るため免疫力の低下し風邪などの体調不良につながることもあります。
・ヤケド
また保温をし過ぎたために生じるヤケドも多く見受けられます。ヒーターによる床からの熱や、保温ランプの位置が近いと背中などに思わぬケガをおってしまいます。
・代謝性骨疾患
イグアナのかかりやすい病気の1つに、代謝性骨疾患があります。紫外線を浴びる量が少ない場合や、ビタミンが足りないと発症する病気です。イグアナが体内でカルシウムを上手に調節することができなくなり、骨が弱くなります。手足の腫れや、痙攣などで歩く速度やしぐさがいつもと違う場合はすぐに治療をする必要があります。
・寄生虫
寄生虫により体長を崩してしまうこともあります。食欲不振の他に血便や下痢といった症状が見られ、排泄物から感染を繰り返す恐れがあります。薬を内服させるなどの治療と、再度感染しないように注意する必要です。
・カメの病気
カメはエサのバランスと温度・室温に気を付けることで比較的丈夫に育ちます。水生・半水生のカメの場合は水が不衛生だと、鼓膜に膿がたまるなどの症状に繋がりますので、きれいな水槽を心掛けましょう。
・甲羅の破損
カメの甲羅は大変丈夫ですが、落下物の下敷きになると割れてしまうこともあります。ひどい時には死につながりますので、手遅れになる前に治療が必要です。
爬虫類を飼育する際には、温度と湿度に注意し、エサのバランスとストレスのない快適な環境が必要です。どのペットでもいえることですが、環境を整えることは長生きにつながります。情報をチェックして、最期まで長く大切に育ててあげてくださいね。
対応するペット保険
ペットとしても人気上昇中の爬虫類ですが、思わぬ事故に遭遇したり、病気で体調を崩してしまうことがあります。動物病院で治療を受けた際は、100%の治療費が飼い主さんに請求されるため、予想以上に金額に驚くことも多いです。
そのため、ワンちゃんやネコちゃんと同じように、小動物や鳥類、爬虫類を飼育している飼い主さんの中には、ペット保険の加入を検討する方もいらっしゃいます。
動物病院にもよりますが、初診料が1000円前後から2000円、レントゲンで撮影をした場合は5000円前後から10,000円などと、原因を調べるだけでも高額になる場合があります。
検便や点滴、寄生虫であれば駆虫処置などが追加され、症状によっては治療が1日では済まずに通院が長引く場合もあるでしょう。このような病気になった時のことは、ペットを育てるうえできちんと考えておかなければなりません。
ペット保険の多くはワンちゃんやネコちゃんを対象にされていますが、爬虫類プランにて、イグアナやカメもペット保険に申込みをすることができます。
ペット保険へ加入することで予想外の出費にも安心するだけでなく、「ペットに無理をさせずに、気軽に動物病院へ足を運ぶようになった」という飼い主さんも多くいらっしゃいます。
大切なことは早期発見と早期治療ですので、ペットの体調管理を考えるうえでもペット保険の存在は知っておくことをおすすめします。
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