ペットとの生活

猫の腕神経叢裂離とはどのような病気?関節を動かせなくなってしまうことも?

今回はネコちゃんの腕神経叢裂離がどのようなことが原因になり発症するのか、腕神経叢裂離を発症した際にあらわれる症状、腕神経叢裂離の治療法や予防法などについてお伝えさせていただきます。

猫の腕神経叢裂離はどのようなことが原因になり発症するのかについて教えて!

ネコちゃんの腕神経叢裂離は、下部頚椎と上部胸椎から前足に向かって伸びている腕神経叢と呼ばれている神経の束が、何らかの理由でちぎれてしまうことで発症する病気です。腕神経叢は前足に大きく引き伸ばされたりする力が加わることにより発症することが多くなっていますが、ネコちゃんの場合にはこの腕神経叢裂離を発症することは珍しくなっています。

腕神経叢を構成する神経は第5から第8までの頚神経と第1胸神経となっており、第5頸神経から第7頸神経に生じた神経の分断を、頭側裂離、第7頚神経から第1胸神経に生じた神経の分断を尾側裂離、頚神経と胸神経の全ての腕神経叢が分断されてしまった際には完全裂離という様に呼び方も症状もそれぞれ異なるのです。

腕神経叢裂離は、前足の外傷や首への外傷などが原因に発症することがほとんどです。

前足への外傷が原因の場合には、ネコちゃんの前足に大きな力が加わり、神経が根本から引きちぎられてしまいますと、腕神経叢裂離を発症してしまいます。交通事故や高い場所からの転落、転倒、前足を持ったままネコちゃんを持ち上げるなどの行為はネコちゃんの前足に多大な負担がかかりますので、注意してあげるようにしてあげましょう。

首への外傷が原因になっている場合には、腕神経叢が集まっている首に大きな力が加わり、腕神経叢が引きちぎれてしまうことで腕神経叢裂離を発症します。交通事故や、転倒、高い場所からの落下により、大きな力が加わることもありますので、それらについては、特に飼い主さんが注意してあげてくださいね。

猫が腕神経叢裂離を発症した際にはどのような症状があらわれるのかについて教えて!

ネコちゃんの腕神経叢裂離は、運動面でも生活面でも、ネコちゃんの身体に大きな影響を与え、楽しい毎日を送る上での障害になってしまうため、早期発見、早期治療を心がけるようにすると良いでしょう。

腕神経叢裂離を早期発見する上では、腕神経叢裂離を発症した際に現れる症状などについて理解しておくことが役立ちます。しかし、腕神経叢裂離という病気はネコちゃんに発症することが珍しい病気ですので、「どのような症状があらわれるのかがわからない…。」という疑問をお持ちになられている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

そこで、ここではネコちゃんが腕神経叢裂離を発症した際にあらわれる症状にはどのようなものがあるのかということについてお伝えさせていただきます。

ネコちゃんが腕神経叢裂離を発症した際には、頭側裂離と尾側裂離のどちらを発症しているかによって症状が異なります。

第5頚神経から第7頚神経を断裂することにより発症する頭側裂離の腕神経叢裂離の場合には、肩関節や肘関節を動かすことができないという症状があらわれ、その他にも、肩甲骨や前腕の一部に痛覚の麻痺が生じる、横隔膜の片側に麻痺を生じるという症状もあらわれることがありますので、ネコちゃんの様子には注意してあげるようにしてください。

第7頚神経から第1胸神経の断裂が原因になっている尾側裂離の腕神経叢裂離の場合には上腕三頭筋に力を入れることができなくなってしまうため、体重を支えることができずに、手首の部分で折れ曲がってしまうナックリングという症状が特徴的です。その他にも、肘から先の感覚が亡くなる、瞳孔が小さくなるなどの部分的なホルネル症候群などといった症状もあらわれるようになりまうので注意しましょう。

どちらの原因の場合にも、歩き方がおかしくなる、動かない前足などを引きずることにより、引きずっている足をケガするという症状も現れることもありますので、何か様子がおかしいというようでしたらすぐに動物病院に連れて行くようにし、適切な検査や治療を受けさせるようにしましょう。

猫の腕神経叢裂離の治療はどのようにして行なうの?外科手術はする?

ネコちゃんが腕神経叢裂離を発症してしまった際には、ネコちゃんの身体に大きな負担を与えてしまいますし、うまく身体が動かないことによるストレスや、日々の生活でのケガのリスクなどが高まりますので、早期に治療を行うことが重要なことになります。

しかし、「腕神経叢裂離の治療法がわからない。手術は必要なの?」という疑問をお持ちになられている飼い主さんも多いのではないかと思います。

そこで、ここではネコちゃんの腕神経叢裂離の治療法にはどのような方法があるのかということについてお伝えさせていただきます。

ネコちゃんの腕神経叢裂離の治療法はほとんどの場合で、身体を安静にし、激しい運動などをさせないように注意し、自然に神経が回復するのを待つという方法を取ります。神経が回復するまでの期間は2ヶ月から3ヶ月程度ですので、この間に、患部に外傷などを負わないように、肘当てや靴下などを履かせるなどの工夫をすると良いかもしれません。

神経の損傷が大きく、回復が見込めない、動かない前足が歩行の障害になっている、動かない足をネコちゃんが噛んだりしてしまう、という場合には外科手術などで前足を切断するということもあります。

猫の腕神経叢裂離を予防するためにはどのようなことが必要になるのかを教えて!

ネコちゃんの腕神経叢裂離は外傷が原因になっていることが多く、交通事故や転落、転倒などの可能性を飼い主さんが日々の生活の中から減らしていくようにすることで腕神経叢裂離を予防することができるかもしれません。

外などに出さずに完全室内飼育を心がける、室内の高い場所には登れないようにする、フローリングにカーペットやラグなどを敷き、ネコちゃんが転倒しないように気をつけるなどの対策を日々の生活の中から行っていくようにしてくださいね。

猫の腕神経叢裂離は早期発見、早期治療が重要!なにかおかしな様子があったらすぐに動物病院に!

ネコちゃんの腕神経叢裂離は日々の生活の質を下げてしまうものですので、できるだけ予防に努めるようにすると共に、早期発見、早期治療を心がけるようにしてあげましょう。

また、腕神経叢裂離の治療には通院が必要になることもあり、医療費などが思っていたよりも高額なものになってしまうこともあるかもしれません。そのような時のために、ペット保険に加入しておく、ペット貯金をするなどをして万が一の際に備えておくのも良いかもしれませんよ。

今回、お伝えさせていただきました情報が飼い主さんとネコちゃんの生活をより良いものにするお手伝いになりますことを願っております。

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