ペットとの生活
ペット葬儀の選び方 失敗しない手順マニュアル
近年では火葬のみならず、僧侶に読経をお願いするなど、人と同じような葬儀を希望する飼い主さんが増えているようです。葬儀業者によって異なりますが、飼い主さんやご家族だけでなく、生前親しかったご友人にも集まってもらうことができ、一緒に送り出すことが可能です。
葬儀にはどのような方法があるのでしょうか。そのながれについて触れていきたいと思います。
1:葬儀の種類について
葬儀とは、ペットが亡くなり私たちの住むこの世から、天国へ移るための宗教的な儀式のことを指します。飼い主さんやご家族・ご友人の方が、ペットの安らかな眠りを祈るために行うもので、火葬する前や、寺院によっては四十九日、一周忌、三回忌といった年忌に読経をし、法要が行われます。
この葬儀には、大きく分けて2つの方法があるようです。
・ペットを葬儀業者提携の寺院などに連れて行き、祭壇を設置。僧侶が祭壇の前で読経を行いますので、飼い主さんやご家族・ご友人の方はお焼香をします。
・葬儀業者と僧侶が移動火葬車にて自宅へ伺います。ご自宅の前や思い出の場所などに向かい、移動火葬車に祭壇を設置します。火葬業者にもよりますが、人の目が気になるお客様のために、火葬車であることが分かりづらいよう工夫をしている場合もあります。その祭壇の前で僧侶が読経を行いますので、飼い主さんやご家族・ご友人の方はお焼香をします。
このような葬儀が終わった後、儀式は火葬へと移ります。祭壇で寝ているペットの姿を是非とも目に焼き付けておいてくださいね。こちらが生前の最期の姿となりますので、声をかけたり、触れてあげるのがいいと思います。
火葬の時間はペットの身体の大きさによりますが、1時間以内から1時間半程度と言われています。移動火葬車の場合、音やにおいが気になる方もいらっしゃいますが、近年では無煙無臭の移動火葬車もあるようです。音に関してもそこまで大きな作動音でないことから、自宅前での火葬もお願いしやすくなりました。
このような火葬を終えて、儀式はお骨上げに移ります。骨壺にお骨を入れる作業のことですが、こちらも飼い主さんやご家族が行うのか、葬儀業者の方に任せるのかも前もって決めておきましょう。骨壺にお入れした後、葬儀業者の手で専用の覆袋をかぶせ葬儀・火葬の儀式は終了となります。
お骨上げの後、骨壺をどうするのかは大きく分けて3つの選択があります。
・骨壺を持ち帰って、ご自宅にご安置。
・骨壺を持ち帰らずに、提携寺院やペット霊園に納骨。
・骨壺を持ち帰って、四十九日を経た後や記念日などを境に、提携寺院やペット霊園へ納骨。
この他にも、初七日法要を行っている場合もあります。その際は火葬が終わり、寺院へ移ってから開始されることが多いようです。火葬や葬儀だけでも様々なながれがあり、迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。葬儀業者もたくさんあり料金も異なりますので、いくつか説明を受け、ご自身にあった無理のない葬送ができるといいですね。
2:お墓の種類について
火葬・葬儀を終えた後はどのようなご安置や納骨ができるのか、触れていきたいと思います。前述した通り、お墓の種類にはご自宅へのご返骨・ご安置と、提携寺院やペット霊園への納骨という大きく分けて2つの種類があります。ご自宅でご安置する場合、お位牌と骨壺、お写真などの祭壇を設ける方もいらっしゃれば、散骨する方など様々いらっしゃいます。
祭壇を作ってあげたくても、お家で使用できるスペースには限りがありますから、ご家族の意向も含めて決めておく必要がありますね。近年であれば自宅葬向けに、ミニ祭壇と呼ばれる小型の祭壇も人気があるようです。他にも写真や遺骨を入れられるペンダント・キーホルダーなどもあるので、大切なペットが亡くなってもより身近に感じることができるかもしれません。
また粉骨用骨壺なども注目を集めています。家族が別居をしている場合、遺骨を分け合うことができますし、一部を自宅において、残りは寺院やペット霊園にて納骨・埋葬するなどの例もあります。
寺院やペット霊園へ納骨をする場合、ご自宅のペットだけで納骨をする場合と、他のペットと一緒に納骨をする場合とに分かれます。
ペット霊園などの納骨堂にて納骨を行う場合、年単位で期限のあるものから、永年納骨まで様々なタイプをお選び頂ける霊園が多いようです。近年では永年納骨を希望される方も増えているといわれています。
納骨堂ではなく、ペット専用の墓地にて納骨・埋葬する方もいらっしゃいます。墓石にはきれいなお花が咲きほこる洋風の霊園から、墓石が静かに立ち並ぶ敷地など雰囲気も様々です。その墓石には名前などを入れられたり、デザインが複数あるものや、ネームプレートへ写真や飼い主からの「ありがとう」といったメッセージを入れられるものもあります。眺めがよく、ペットも気持ち良く眠ることができそうな場所も多いようです。またペットも人と同じお墓に入ってほしいという飼い主さんの希望から、共葬墓地を設けている霊園もあります。
以上のようにペット霊園や納骨方法にはたくさんの種類がありますから、以下のようなポイントを是非おさえて頂けたらと思います。
まずはご自宅からの距離や場所について、お参りに行きやすい立地を選んでおくと、足を運びやすくなります。サービスとして送迎がついている霊園もありますので、確認しておくといいですね。
また追善供養などを行っている寺院もあります。四十九日や一周忌といった希望に応じて行ってくれる場合もありますし、週の中の決められた曜日で、他の飼い主さんと一緒に合同供養の場を設けている場合もあります。そのように後のことも考え、飼い主さんご自身が供養しやすい方法を基準に選ばれるのもいいですね。
そして料金の説明についても大切なポイントとなります。セット価格となっていた場合、どのようなサービスがあるのか、追加料金は発生しないのかなどについて明確な説明があると安心していられますよね。あとでトラブルにならないよう前もって確認しておきましょう。
以上のような点を踏まえ、飼い主さんやご家族にとって、そしてペットにとって、悔いのない葬送ができるといいですね。
3:火葬や葬儀までの間、ご安置のながれについて
大切なペットが息を引き取った後は、しばらく茫然とする方もいらっしゃることでしょう。次第に冷たくなっていくその身体を抱きながら、涙を流す方も多いと思います。「火葬や葬儀をしなければ」と葬儀業者に連絡をしようとしてから、今まで気づかなかったことに戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
火葬や葬儀までの間に行うお清めの方法は、知識として前もって知っておくと少しは慌てずにいられると思います。形式というものはありませんが、このような時間を過ごすことで、飼い主さんの心の整理にもつながります。数時間、数日後にはペットの身体は火葬をして、お骨だけとなります。そのことを踏まえても残されたあと少しの時間を、ペットと向き合うことに使って頂きたいものです。
・まずペットが息を引き取った後、身体の大きさを問わず死後硬直がはじまります。身体の関節やまぶたといった部位だけでなく、身体のすべてが固まって動かなくなるというものです。気温にもよりますが2時間ほど経ちますと手足から硬くなっていき、徐々に身体の腹部や頭部へと移ります。ご安置する際はできるだけ普段眠っている時のような、安らかな体勢に整えてあげてください。手足は胸元へと寄せ、まぶたも空いている場合は閉じてあげましょう。穏やかな体勢をつくってから、身体のお清めをはじめます。
・お清めは、特別難しいものではありません。お湯で濡らしたガーゼなどのやわらかな布で、まずは全身を丁寧に拭いてあげてください。口から体液を垂らしたり、肛門から汚物が染み出てくる場合があります。やさしく拭いてあげてくださいね。
・葬儀セットなども市販されていますが、そのようなものがなくてもご自宅にあるもので代用することができます。準備して頂くものは、大まかに下記のようなものです。
ペットが寝ることができる箱やケースに加え、新聞紙やタオル、シーツなどペットの下に敷くものがまず必要です。普段眠る時に使っていた毛布でももちろんかまいません。家族が集まるまで時間がかかる場合や夏場などは、保冷剤なども複数お持ちください。
その後、お通夜のための祭壇を作ります。段ボールやケースに新聞紙を敷いて、その上に保冷剤を置きます。ペットがこの中で寝た際に、腹部が当たる部分には多めにのせておくといいようです。保冷剤を置いたらタオルやシーツなどを敷いて整えます。そこへペットを寝かせてあげてください。頭部や腹部にも保冷剤をあて、上からまたタオルやシーツをかけてあげます。よく遊んでいたおもちゃなどがあれば、近くに置いてあげてください。お水や好きだった食餌をお供えします。
余裕があればお花を準備したり、ろうそくやお線香でお焼香をあげてもよろしいと思います。前述したように、形式というものはありません。飼い主さんの納得のいく時間を、ペットと一緒に過ごしてあげてくださいね。
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