基礎知識

去勢や避妊手術をおこなった後の犬の身体の変化について

ワンちゃんを家族に迎える際には、様々なことを考えて去勢、避妊手術をするかどうかということを検討するのではないかと思います。

しかし、去勢、避妊手術は全身麻酔をした上で行なう手術ですので、様々な危険性や、手術後にも飼い主さんが気を使ってあげたほうが良いこともありますし、ホルモンバランスも変化するため、ワンちゃんもいつもとは違う様子が見られるかもしれません。

それらについての知識を飼い主さんがしっかりと持っておくようにすることと共に、ワンちゃんが一日でも早く、普段通りの生活に戻れるように手助けして上げる必要があるのです。

そこで、今回は去勢、避妊手術をした後にワンちゃんにどのような変化が見られるのか、どのようなことを飼い主さんがしてあげられるのかということについてお伝えさせていただきます。

去勢、避妊手術をしたすぐ後に犬に見られる変化について教えて!

去勢、避妊手術をした後のワンちゃんは身体に手術をした跡(傷)があるため、元気がなくなっているということが多くなります。全身麻酔をかけて手術を行いますので、急激な体調の変化やぼーっとしているということもありますので、ワンちゃんの様子には気を配ってあげるようにしてくださいね。

手術が終わり、動物病院から家に連れて帰ってきた時に、元気に走り回ったりする子もいますが、できるだけ傷口が完治するまでの間はなるべく安静にさせておくようにしてくださいね。

去勢、避妊手術後の傷跡をしきりに気にしてしまい、舐めて治そうとするワンちゃんも居ますが、これにより完治が遅れてしまうということもあります。これを防ぐためにエリザベスカラーなどの傷口を舐めさせないようにする首輪をつけることもあり、ワンちゃんが更に不安になってしまうということもありますので、ワンちゃんの様子には注意してあげてくださいね。

動物病院という慣れない環境に置かれたことや、手術の際に不安を感じていたなどが原因となり、術後もぐったりとしているということもあるかもしれません。そのような際には、ワンちゃんとのコミュニケーションをしっかりと取り、感じていた不安などを解消してあげるようにするとともに、ワンちゃんの体調の変化などにすぐ気づけるようにしておきましょう。

犬が去勢、避妊手術すると性格が変わる?その他の変化は?

ワンちゃんが去勢、避妊手術を行なうと性衝動が抑えられるため、性格も手術をしなかった場合と比較すると、甘えん坊であったり、活発な子に育つことが多くなります。元が活発なワンちゃんですと、大人しい性格になることも多いようです。

オスのワンちゃんの場合には、足を上げてマーキングすることがなくなりますので、部屋の壁や、大切なものなどにオシッコをかけられることが減るということもメリットとしてあるのです。

去勢、避妊手術を行ったワンちゃんは、摂取する食事量と運動量が比例せずに、肥満になってしまうことも多く、飼い主さんが食事量や運動量などをしっかりと管理して上げる必要があるのです。糖尿病や尿路結石、膀胱炎などの病気になってしまうかもしれないリスクが増加しますので、肥満にならないように健康管理をしてあげてください。

去勢手術をした場合には、生殖器系の病気を予防することもできますし、内臓疾患などの病気にかかりにくくなるのです。肥満が引き起こす病気にはかかりやすくなってしまいますが、肥満にならないように生活をおくることでこれらの病気も予防することができますので、病気で突然体調が悪くなってしまうということもなくせますよね。

犬の去勢、避妊手術後に飼い主さんがしてあげられることは?

去勢、避妊手術はオスですと15分から30分、メスですと45分から60分程度で終わる手術とは言え、全身麻酔をかけて行なう手術ですので、ワンちゃんにとっては大きな負担がかかると同時に多大なストレスがかかることがほとんどです。

ワンちゃんの体調が万全になるまでは、飼い主さんがしっかりと体調を管理してあげたり、手術跡などが化膿したり、開いたりしないように気をつけて上げる必要があるのです。

そこで、ここではワンちゃんの去勢、避妊手術後に飼い主さんがしてあげられることについて、お伝えさせていただきます。

ワンちゃんの去勢、避妊手術後には、ワンちゃんがぐったりとしてしまうことも、多く食欲が無かったり、運動をしたがらないということもあります。手術後のワンちゃんは慣れない動物病院という環境での手術で、精神的に不安定になっているので、飼い主さんが撫でてあげたり、できるだけそばに居てあげるようにすることでワンちゃんを安心させて上げるようにしましょう。

手術後には、下痢や軟便などの症状が出るワンちゃんも居るのですが、これも慣れない環境に置かれたストレスや不安が原因になっていることがほとんどです。ワンちゃんが安心できるように飼い主さんが心のケアをしてあげることで改善することができるかもしれませんので、手術跡が完治するまでの間はできるだけそばに居てあげるようにしてくださいね。下痢や軟便などといった症状が改善されない場合には、動物病院での診察をうけると良いでしょう。

手術跡はワンちゃんにとっては傷であり、違和感を感じてしまうということが多くなっています。ワンちゃんは身体についた傷を舐めて治そうとするのですが、手術跡の完治を遅らせる原因になってしまうことがほとんどです。手術跡に細菌が入ってしまって、化膿してしまい、完治までにさらに時間を要するということもありますので、ワンちゃんが手術跡を舐められないように飼い主さんが対策してあげてくださいね。

傷を化膿したり、細菌に感染することを防ぐための抗生剤や、痛みを緩和する痛み止めなどを処方されることがありますので、獣医さんの指示に従ってワンちゃんに薬を与えるようにするとワンちゃんの苦しむ時間が減りますので良いと思いますよ。

去勢、避妊手術後のワンちゃんの散歩を行なうべきなのかどうかということについて、疑問をお持ちになられている飼い主さんも多いとは思いますが、ワンちゃんの体調を見ながら散歩を再開していくのが良いでしょう。ワンちゃんが痛みを感じなくなるまでは、散歩は控えておいたほうが飼い主さんも安心だと思いますよ。手術跡が回復してないうちに散歩をしてしまうと細菌感染などの可能性がありますので、抜糸するまでの間は長距離の散歩は控え、短い距離の軽い散歩程度にとどめておきましょう。

去勢、避妊手術は全身麻酔を用いて行なう手術ですので、食事や水を飲む際に、吐いたりむせたりしてしまうこともあります。
そのため、ワンちゃんに普段と同じ量の食事や水を与えないようにはせずに、少量ずつ与えていくようにして、ワンちゃんが吐いたり、むせたりしないことを確認して、徐々にエサや水の量を増やしていくようにしてください。

動物病院から帰ってきた後は、普段通りに過ごさせるのではなく、いつもより少し過保護に面倒を見てあげるほうが、飼い主さんも安心ですし、ワンちゃんの不安を取り除いて上げることができると思いますよ!

去勢、避妊手術後のワンちゃんを飼い主さんがしっかりとケアしてあげましょう!

去勢、避妊手術はそこまで難しい手術ではありませんが、全身麻酔を用いて行なう手術ですし、ワンちゃんの身体にも精神にも大きな負担がかかるものです。日常生活をしっかりと行えるまでの万全な状態になるまでは飼い主さんがしっかりとワンちゃんを支えてあげてくださいね。

傷口が開いてしまったり、なかなか元気が出ないなど、おかしな様子があるようでしたら、すぐに動物病院に連れて行くようにし、ワンちゃんが早く日常生活に戻れるように献身的なケアを行なうようにしましょう。

今回、お伝えさせていただきました情報が飼い主さんとワンちゃんの毎日をより良いものにするためのお手伝いになりますことを願っております。

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