基礎知識
犬や猫に血液型はあるのか?ペットの輸血の際の注意点
大切な家族の一員であるワンちゃんとネコちゃんとの毎日は、飼い主さんにとってかけがえの無いものですよね。そんなワンちゃんやネコちゃんがケガや病気などで手術等を行う際には、輸血が必要になることもあるのです。
そんな時に飼い主さんが気になることといえば、ワンちゃんやネコちゃんがどんな手順を踏めば、安全に輸血できるのかということではないでしょうか?実は、ワンちゃんやネコちゃんにも人間と同じように血液型があり、同じ血液型の血液を輸血しなければ、命を落としてしまう危険性もあるのです。
そこで、今回はワンちゃんやネコちゃんが輸血をする際に起こるかもしれない問題と、ワンちゃんやネコちゃんの血液型についてお伝えさせていただきます!
犬と猫の血液型はどのようにわけられているの?
人間ですと、ABO式血液型が一般的によく知られている血液の分類法ですが、ワンちゃんやネコちゃんの場合はどのように分類されているのかということについて知りたいという飼い主さんもいらっしゃることだと思います。
ワンちゃんやネコちゃんは人間の様にABO血液型で分類されているわけではなく、ワンちゃんはDEA式血液型、ネコちゃんはAB式血液型で分類しているのです。
DEA血液型では、ワンちゃんの血液型をDEA1.1、DEA3というような13種類に分類します。人間ですとA型、B型というように1人に対して1種類であることがあたりまえですが、ワンちゃんの場合は「DEA1.1+DEA3」のように1匹のワンちゃんに複数の血液型を確認できるということがありえます
ネコちゃんの場合は人間の血液型から、O型を抜いたものと考えていただいても良いでしょう。ネコちゃんの血液型を決める遺伝子はA>AB>Bの順で血液型を決定する強さが決まっており、B型はB型同士の両親からしか生まれてきません。そのため、ほとんどのネコちゃんがA型と言われており、B型やAB型のネコちゃんはほとんどいないのです。
ワンちゃんとネコちゃんの血液型は、人間のようなものではなく、ワンちゃんですと更に複雑に分類されていますし、ネコちゃんは逆にほとんどがA型というように偏ったものになっています。そのため、人間の輸血の時よりも、念入りに慎重に検査し、血液型を調べる必要があるので、動物病院に行く際などに獣医さんに「血液型を知りたい」と伝えておくのも良いでしょう。
輸血などを行う際に、飼い主さんが覚えておくことは?
ケガや病気などの際に、ワンちゃんやネコちゃんに輸血をしなければならないということになった際に、「輸血をするときに覚えておいたほうが良いことはあるのか?」という疑問をお持ちになられる方もいらっしゃるのではないかと思います。
特にワンちゃんの血液は人間とは違い、様々な血液型が同時に現れることがありますので、注意が必要になります。
そこで、ここではワンちゃんとネコちゃんが輸血をする際に飼い主さんに覚えておいていただきたいことについてお伝えさせていただきます。
ワンちゃんが輸血をするときには、血液型を詳細に検査する必要がありますが、急病や突然のケガの場合にはそれが完全にはできなくなってしまいます。ワンちゃんの血液型は複雑なもので、どの血液型で、どの抗原をもっているのかということは、研究機関に血液のサンプルを送らなければいえませんので、前もって検査してほうが良いのです。
急な事態の場合には、ワンちゃんがどの血液型であるのかということよりも、血液型の1つである「DEA1.1」を保有しているかどうかという点について重点的にチェックされます。ワンちゃんにはもともと、DEA1.1に対する自然抗体はないのですが、次の輸血の際にこのDEA1.1という抗原が、他の血液型に対して非常に強い抗原抗体反応を引き起こし、最悪の場合ですと、命を落としてしまうかもしれない危険性があるのです。
ネコちゃんの場合は、異なる血液型の血液を輸血してしまった際には、強い副作用が起こることもあり、命に関わりますので、血液型を把握しておくと安心です。
特に、B型のネコちゃんの場合には、間違ってA型の血液を輸血してしまいますと、他の血液型と比較した際に強い副作用を引き起こすので、ご自身のネコちゃんの血液型がB型という場合には獣医さんに必ず伝えるようにしましょう。
輸血を行う際には血液型の検査や、血液の交差試験なども行い、抗体抗原反応が起こることを防ぐために重点的にチェックされますので、基本的には問題がないとお考えになっていただいても大丈夫ですが、万が一の時のことを考えて、ワンちゃんやネコちゃんの血液型を前もって検査しておくのも、健康を守るために役立つと思いますよ。
犬や猫の血液型による、子犬、子猫への影響は?
ワンちゃんやネコちゃんに「子どもを産んでほしい」という飼い主さんが心配なことといえば、生まれてくる子犬や子猫が健康に生まれてきてくれるかどうかということではないでしょうか?
実はワンちゃんやネコちゃんの血液型によっては子どもが命を落としてしまうかもしれない危険性があるのです。
ここでは、両親の血液型が違うことで、子犬や子猫にどんな影響を及ぼすかという点についてお伝えさせていただきます。
子犬や子猫の血液型が母親と異なる場合、新生子溶血が起こることがあります。
新生児溶血は、母親の血漿成分を豊富に含んだ新乳を摂取することによって、母親の血液中にある抗体が、子犬や子猫の血液中にある赤血球が破壊されてしまい、最悪の場合には命を落とす危険性もある疾患です。
症状は、元気がなくなる、黄疸や血尿などが主な症状です。重度の新生児溶血の場合には症状などに気づく前に命を落としてしまいます。
新生児溶血は発症してからの治療が難しく、どちらかと言えばどのように予防をするのかという点に重点がおかれます。
事前に血液型を調べ、両親の血液型から新生児溶血を引き起こしてしまう可能性がある組み合わせかどうかを知っておくことと良いでしょう。ワンちゃんの場合には、父犬の血液型がDEA1.1である場合には、注意が必要です。ネコちゃんの場合は、両親が同じ血液型かどうかを確認すると安心です。どちらの場合も、出産後に母親から初乳を与えずに人工乳で育てることによって新生子溶血を防ぐことができます。
新生児溶血は飼い主さんの事前の準備や出産後に一工夫することにより防ぐことができる疾患ですし、お伝えした症状がみられた際にはなるべく早めに動物病院に、ワンちゃんやネコちゃんを連れて行ってあげるようにしてくださいね。
猫の種類によって血液型の比率が異なります
ほとんどのネコちゃんの血液型はA型と言われており、B型のネコちゃんはなかなかみられません。AB型のネコちゃんにいたっては1%の確率でしか生まれないと言われているくらいです。
ロシアンブルーやアメリカンショートヘアは、ほぼ100%でA型と言われています。メインクーンなどの場合も約90%がA型と言われており、B型率は10%未満です。B型が表れやすいネコちゃんの種類もあり、ブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどはB型率が25%と言われています。
犬や猫の血液型について知っておくことは役に立ちます
ケガや病気の際には輸血を行うかも知れませんし、妊娠、出産などの際にも血液型についてよく理解しておくことで、ワンちゃんが苦しんだりすることを減らせるのです。
飼い主さんがご自身のワンちゃん、ネコちゃんの血液型を知っておきたいとお考えになられる際には、血液型を事前に検査しておく必要がありますので、ケガや病気になってしまう前から、動物病院で獣医さんに「血液型について詳しく知りたい」と伝えておくようにしましょう。
今回お伝えしたことが、飼い主さんのワンちゃんやネコちゃんの健康を守る上で役にたつことを願っております!
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