基礎知識
三毛猫のオスはなぜ珍しい?猫の毛色や柄はどうやって決まる?
ネコちゃんには様々な種類があり、毛の色や柄も多種多様です。飼い主さんのネコちゃんの毛の色はどんな色、柄でしょうか?
ネコちゃんが妊娠し、子どもを生むという時に飼い主さんが気になることといえば、生まれてくる子猫が元気に生まれてきてくれるかということと、どんな色や柄なのかということではないでしょうか?
実は、ネコちゃんの毛の色や柄を決める遺伝子の組み合わせは様々なものがあり、複雑なものになっているのです。
生まれてくるネコちゃんがどんな毛の色や柄なのかを予測するためには、母猫、父猫の毛の色や柄がどのような遺伝子で決められているのかということを、知っておく必要があります。
そこで、今回はネコちゃんの毛の色や柄がどのように決まっているのか、また、ネコちゃんの毛の色や柄で見る性格についてお伝えさせていただきます。
猫の毛の色や柄を決める遺伝子はどのようなものなの?
毛の色や柄、長毛か短毛かを決める遺伝子の組み合わせによって、子猫がどんな毛色を持って生まれるかというのは変わってきます。
ここでは、それらの遺伝子の名前や、何を決めている遺伝子なのかということについてお伝えさせていただきます。
ネコちゃんの毛色を決める遺伝子は9つあり、母猫と父猫からそれらの遺伝子を受け継ぐのですが、その組み合わせはかなり複雑なものになっています。
全体的な毛の色を決める遺伝子は、毛の色を黒くするB遺伝子、白くするW遺伝子、オレンジになるO遺伝子、それらの色を薄めるD遺伝子、毛の根元の色を薄くするI遺伝子の5つです。これらの遺伝子が優性であるか劣性であるかによって毛の色が異なってくるのです。
B遺伝子を持っている猫の場合には、ブラック、チョコレート、シナモンになります。チョコレートやシナモンはB遺伝子の劣性遺伝子であるb遺伝子とb1遺伝子を持っている場合に、b遺伝子がチョコレート、b1がシナモンを発言させます。B遺伝子に色を薄く作用があるD遺伝子がかけ合わさることによりブルーなどの色が発現するのです。
優性のW遺伝子を一つでも持っている場合は、他の色、柄などを決まる遺伝子を持っている場合にもネコちゃんの毛の色が真っ白になります。「身体に白い部分がある猫はどうなの?」と疑問をお持ちになられる方もいらっしゃるとは思いますが、身体の白い部分は柄であり、それら決める遺伝子があるため、全身が真っ白なネコちゃんの場合は優性のW遺伝子を持っているんだなとお考えいただければ問題ありません。
ネコちゃんの毛の色をオレンジ系の色にするO遺伝子を持っている場合は、B遺伝子、W遺伝子とは違い少し特殊な遺伝の仕方をします。この遺伝子は、ネコちゃんの性別を決めるX染色体の上にのみあり、通常は両親から2つ受け継ぐカラー遺伝子をオスのネコちゃんはこの遺伝子を一つしか持つことができません。オスのネコちゃんの場合はO遺伝子が優勢である場合はレッドやオレンジ色、劣性である場合は黒色になります。メスの場合はこのO遺伝子を2つ受け継具ことができるので、OO、Oo、ooの3つのパターンが考えられます。OOの場合はレッド、Ooの場合にはサビ柄、ooの場合にはその他の色を発現させるのです。
ネコちゃんの毛の柄を決める遺伝子は、1本1本の毛がしま柄であるかを決めるA遺伝子、しま柄がどのような形であるかを決めるT遺伝子、足先やお腹を白くする遺伝子であるS遺伝子、色が付く場所と、濃さを決めるC遺伝子の4つです。
これらの遺伝子が複雑に作用し合い、ネコちゃんの毛の色や柄が決められるのです。母猫や父猫の毛の色や柄をしっかり見てみると、生まれてくるネコちゃんの毛の色や、柄がある程度推測できるかもしれませんよ。
三毛猫のオスが珍しい理由はなぜだろう?
三毛猫はほとんどのネコちゃんがメスと言われており、オスの三毛猫は珍しいため、見つけると縁起が良いとされていますよね。
三毛猫は、ネコちゃんの毛の色をサビ柄にするOo遺伝子と足先やお腹などを白くするS遺伝子の組み合わせで生まれてきます。先程もお伝えしたとおり、Oo遺伝子は基本的にはメスのネコちゃんにしか発現しないのです。
オスの三毛猫は自然界にはほとんど存在せず、クラインフェルター症候群という染色体の数が1つ多い染色体異常を持っているネコちゃんの場合のみ、三毛猫になります。
三毛猫はほとんどがメスのネコちゃんですが、メスのネコちゃんがこの毛色、柄だったら珍しいというものもあり、レッドやオレンジ色のトラ柄や、その中に白が入った毛色はほとんどがオスのネコちゃんと言われています。
ネコちゃんの毛の色によって性格が違う?
ネコちゃんの毛色や柄が、様々な遺伝子が複雑に作用し合い、決まるものということはお伝えしましたが、この遺伝子が関係しているのかは定かではありませんが、ネコちゃんの毛の色や柄によって、性格がある程度推測できると言われています。
実際には、飼い主さんの飼い方やコミュニケーションの取り方によって、性格が決まるのかもしれませんが、毛色などである程度性格を考えてみると、飼い主さんにもわからないネコちゃんの新たな一面を見つけることができるかもしれませんよ!
ここでは、ネコちゃんの毛色や柄からみる性格についてお伝えさせていただきます。
黒猫
黒猫は、クールで人を寄せ付けないというイメージをお持ちになられている方も多いのではないかと思いますが、意外と人懐っこくて撫でてもらうのが好きだったり、抱っこしてもらうのが好きと言われています。穏やかで他のネコちゃんにもフレンドリーな態度を示すことも多いため、比較的飼いやすいのではないでしょうか?グレーなどの毛の色を黒くするB遺伝子を持っているネコちゃんは黒猫と同じく、穏やかで人懐っこいようですよ。
白猫
毛の色が白い猫は、気が強く、神経質であることが多いようです。黒猫などと比べるとクールで、飼い主さんに甘えてくることもあまりないのですが、甘えん坊な性格の白猫の場合には他のネコちゃんよりも飼い主さんへの愛情表現が強いのが特徴でしょう。
三毛猫
三毛猫はほとんどがメスですので、自立心が強く、みなさんがイメージするネコちゃんの性格に近いことも多くなっています。プライドも高く、甘えてきたと思ったら逃げたりなど気まぐれな性格です。エサなどの好みがはっきりと分かれていることが多く、グルメといっても良いでしょう。
サビ猫
三毛猫と同じく、ほとんどがメスであるサビ柄のネコちゃんですが、性格はのんびり屋さんでおとなしく、マイペースです。メスのネコちゃんは自立心が高いため、個人主義であることが多いのですが、サビ猫はメスの割には協調性が高く、穏やかな性格のようです。
茶トラ、赤トラ
メスがほとんどの、三毛猫やサビ猫とは反対に、ほとんどがオスのレッドやオレンジのトラ柄のネコちゃんは、オス猫らしく甘えん坊の子が多いようです。優しく穏やかで飼い主さんには甘えん坊ですが、そうでない人のことは少し怖がってしまうということもあります。飼い主さんに抱っこされるのが好きな子が多いようですので、スキンシップをとるのが大好きな飼い主さんとは相性が良いですね。
ネコちゃんの毛色から性格をみるということでお伝えしていきましたが、ご自身のネコちゃんはどうでしょうか?色を決める遺伝子がもしかしたら性格にも影響していると考えると、少し興味深いですよね。もちろん、これが絶対というわけではなくおおまかな傾向ですので、ご自身のネコちゃんと照らしあわせて見て下さいね。
猫の毛色や柄は一匹一匹違うから面白い!
今回はネコちゃんの毛色や柄について、遺伝子がどのような働きをしているのかという点についてお伝えさせていただきました。
飼い主さんのネコちゃんの毛色や柄を決めている遺伝子は複雑な組み合わせで決まり、生まれてくる子どもやその先の子孫がどのような柄になるのかは生まれてくるまでわかりませんが、ある程度推測することができるのです。
ご自身のネコちゃんがどの遺伝子の組み合わせなのかという店について考えてみるのもきっと面白いと思いますよ。
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